NASHについて
非アルコール性脂肪性肝疾患のうちNAFLDについては、昨日紹介ましたが、NASHは、単に肝細胞に脂肪が蓄積するだけでなく、肝臓に炎症や線維化が惹起され、最終的に肝硬変や肝癌に進行します。
組織学的には、肝細胞の脂肪変性を主体とNASH非アルコール性脂肪肝と、脂肪変性に加えて、炎症、肝細胞の風船様変性、線維化を呈します。
ですから、診断のためには肝生検によって、肝臓の組織を取り出して調べなくてはなりません。
これは侵襲的な検査であることに加えて、取り出したサンプルが必ずしも肝臓全体の状態を反映するとは限らないため、別の非侵襲的な方法が開発されています。超音波検査、MRI検査での肝弾性度測定や、簡易スコア(FIB-4index、NAFLD fibrosis scoreなどの非侵襲的肝線維化予測式)が報告されています。
肝臓の線維化は肝硬変や肝癌に繋がる病態として注目されています。
これまでは肝弾性度測定とともに日常の診療で評価することは容易ではありませんでしたか、On lineで自動計算できる簡易スコアを用いることが可能となったので、杉並国際クリニックは、直ちにこれを導入する準備に入りました。
FIB-4indexの計算について、これは、予め年齢、血小板数(10⁹/l)、AST(IU/l)およびALT(IU/l)のデータがあれば算出できます。
NFS(NAFLD fibrosis score)について、これは上記データの他にBMI値、血清アルブミン(g/dl)および空腹時血糖障害もしくは糖尿病の有無の情報が必要になります。
血清以上をまとめると、非アルコール性脂肪性肝疾患の管理のためには、性別、体重・身長によるBMI値、血液検査項目としては、血小板数、AST、ALT、血清アルブミン、空腹時血糖、糖尿病の診断が必要であること、腹部超音波検査で脂肪肝等の診断を行うことが必須となるでしょう。
そこで杉並国際クリニックは、上記を踏まえた非アルコール性脂肪性肝疾患の統合的なアプローチのための診療シート(杉並国際クリニック版)の作成に取り掛かることにしました。
2月中には完成の予定です。完成した暁には、このHPの新着情報で公開する予定です。
<明日に続く>
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